悪の組織に潜入し、様々なギミックで謎を解きながらミサイル発射を阻止するスリル＆アドベンチャーアトラクション

秘密諜報機関のエージェントとして制限時間内にミッションをクリアし、世界を救うため、ミサイル発射を阻止する謎解き脱出スパイアトラクションです。
最大6チームが同時に別々のミッションを解いていき、さらにそのチームの中から成績の一番良いエージェントのみが最終ミッションにチャレンジできます。
リアル脱出系には珍しく、何度プレイしても楽しめるアトラクションとなっています。

ジョイポリス様が掲げる「デジタル」と「リアル」を融合した「デジタリアル」をテーマに、新たに構築されることになったスリル＆アドベンチャーアトラクションにて、ソフトウェア／アプリケーション開発分野のすべてを担当しました。

開発領域としては、以下です。
・プレイヤーが利用するタブレット型ツールのアプリケーション
・タブレットアプリをコントロールするCMS機能を有する、サーバサイドシステム
・ハードウェアギミックをコントロールするための、ギミック制御システム
・アトラクション内の音声を制御する、音声制御システム

特にギミック制御システムについては、別途本アトラクション用に開発されるギミックハードウェアについて、I/Oコントローラユニットを介して制御を行い、ハードウェア製作会社とも密な連携を取りながら開発を進めました。

サーバサイド側に関しては、中国本土の施設ということでAWSが利用できない前提があり、本プロジェクトで初めてTencent Cloud（テンセントクラウド）を利用しました。

多くの脱出アトラクションでは、プレイヤーは紙とペン、頭脳だけでクリアしていきます。さらに、スタッフが各プレイヤーの動向をフォローするのはかなり難しいことです。

この本物のスパイさながらの脱出アトラクションでは、プレイヤーがタブレット型ツールを使って謎を解いていくことで、各ミッションの指示、現在位置、ゲーム終了までの残り時間などをタブレットで確認できます。
プレイヤーはそのタブレットを使って謎を解き進め、最後の追加ミッションの解除まで行います。

同時に、施設スタッフはタブレットからすべてのチームの行動を観察し、どこにいるかを知ることができます。
ミッションが失敗した時やオールクリアした時には、スタッフの遠隔操作によりタブレット画面に出口までの経路を表示し、プレイヤーにスムーズな移動を促します。

プレイヤーにとってミッションクリアの鍵となるタブレット型ツールは、とにかく「操作のスピード感」と「没入感」を得られる設計・演出に着目しました。
・直感的にタップしやすい大きなボタン
・会場の世界観とリンクしたトーン＆マナー
・操作の楽しさを加速させるSE（サウンドエフェクト）
・脱出アトラクションならではの緊張感を与える演出（制限時間と連動して、画面全体が徐々に青→赤に変化する）
などに工夫を凝らしています。

また、施設スタッフ側が使うゲーム管理画面では、一日に数回、複数のチームが参加する複雑な構成のなかで操作にミスが出ないよう、ボタンの位置や配色などに細心の注意を払いながら設計しました。

中国のアミューズメントパークであるため、実際に会場に行ってUIテストを行うことが難しい状況でしたが、現地にいるお客様や施設スタッフの方から細かくデザインレビューを頂きながら制作できたことで、よりよいデザインに昇華できました。